お転婆お姫様が時々やってくるようになったある日のこと。
俺は主人に呼び出され渋々部屋に向かう





使用人生活 U



「何故逃げるのです!?」
「だから!俺は女性が苦手でして…!」
「貴方はルークの使用人でしょう?でしたら私には慣れなさい!」
「無理です!!」

俺の主人は家から出ることが出来ない。
なのでよくキムラスカのお姫様が遊びに来る。
遊びに来るのはいいが毎度毎度、俺を追い掛け回すのは止めてくれないか?

「ナタリア、あまりソイツを虐めるなよ」
「虐めてなんておりませんわ!」
「…十分虐められてるっつーの」
「ガイ?何か言いまして?」
「いいえ。何も言ってません」

ナタリア姫が来ると剣の稽古も古代語の勉強も全部放り投げて彼女に付き合う。
誰がどうみても彼女に気があるとしか見えない。
こういうところはまだまだ子供じみてて可愛いかもしれない。

「今日は何をしましょう?」
「この間の続きをするんじゃないのか?」
「あぁ、それもそうですわね。ガイ、準備して」
「かしこまりました」

礼儀として頭を下げ一度部屋を出る。
そして一度自室まで行きペールの荷物置き場のところから二冊本を取り出しまた部屋へと向かう。
この間から二人で読んでいる物語。「ユリアの軌跡」という絵本。
絵本といっても何故か古代語で書かれており、幼い二人にはまだ半分しか読めていない。
俺はなんとか読めるが二人は決して俺には聞いてこない。
自分達で解読しようとしている。似たもの同士というかなんというか…

「失礼します、ガイ・セシルです」

部屋の前で扉を叩き返事を待つ。
しかし返事は帰ってこない。気になりもう一度扉を叩き声をかけるが反応がない。
不思議に思い静かに扉を開け中を覗く。

「ルーク様?ナタリア様?」

気の扉が音を立てて開く。
二人はベットの上で倒れていれ驚き部屋の中に入り二人に近づく

「すぅ…」
「ん…」
「………寝てる」

ベットで丸くなり二人で気持ちよさそうに寝息をたてている。
隠れて手なんて繋いでる。やっぱりまだ子供だな
俺は安堵のため息を付き本を机の上に置き、壁に背も垂れる。

「なんで寝てんだよ…」

本を取りに戻った数分で眠りに入るなよ
死んだかと驚いたじゃないか


「―――-…いや、あれ・・・?」

死んでてもいいじゃないか
どうせいつかは殺すんだし今死んでくれてたって

「…(同情か?)」

前髪をかき毟り自己嫌悪に陥る。
深いため息を零し腰を下ろし天井を見上げる

「…………(アホらし)」

何をやってんだよ、俺






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使用人様、少し同情が芽生え始めました。
まだまだ「殺したい」のほうが強いですがやや同情が現れました。
次辺りにきっかけを起したいです。
きっかけがあってもっと同情するようになると思います。
あ、でももっと「殺したい」って思うかもしれにゃいです。

後半ト書きが少ないのは途中でお風呂に行って集中力が途切れたからです(最悪)
20060312
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