いつもの風景にすっかり溶け込んだ銀髪天然パーマ
甘味屋のところで総悟と一緒に団子を頬ってたり、パチンコ屋の前で急におごってくれなんて行ってきたり
仕舞いには攘夷志士どもが関わっているところにも姿を現すようになって
すっかり俺の日常に溶け込みつつあったのは認める。
認めるが、決してあの天パが好きなわけではない
断じて違う!

「いい加減認めてくれてもいいんじゃない?副長さん」
「・・・誰が、何を」
「えーだって銀さんのこと好きで好きでしょうがないでしょ?今だって抱きつきたいのを我慢してるんでしょ?いいよ?銀さんはいつでも準備万端だからさ」
「んなわけねぇだろ!気持ち悪い妄想すんじゃねぇ!」
「妄想も行動を起せば現実になるだろ?」

いつもの巡回の時、突然腕を引っ張られ人ごみのいない裏路地に連れ込まれる。
咄嗟に戦闘体制になるがあの銀色の髪が目に入り油断ができて壁に押し付けられる。そして上の会話が繰り広げられる。

「つーか…正直俺のほうが限界なんだよね…」
「あ?」

顎を軽く支えられ顔が近くなる。
少しかさついた唇で唇を塞がれて一瞬呼吸が止まる。「何を」と考えている間に舌が進入してきて上顎をなぞられ体が竦んでしまう。

「んぅっ…!」

抵抗しようと腕で押し返していたが、ところどころで際どい部分をなぞってくるもんだからうまく力が入らず、そのまま腕も壁に押し付けられる。

「ぷは…ッ!テメェ何…!」

長い口付けが終わったと思い相手を睨み付けたんだが、万事屋と視線がぶつかり言葉をなくす。
いつもの魚が死んだような目などではなく、恐ろしく―――飢えた獣のような瞳でこちらを見ていた。

「ッ…」

山ほどあった不平不満が一気に腹の中に戻っていく。
なんて瞳で俺を見やがる…ッ―――数秒視線がぶつかった後、また顔が近づいてきてキスをされる。抵抗する気を奪われて素直にあいつの愛撫に応えようと絡まってくる舌を絡め返していく。
角度を変えて何度も絡めてくる舌に夢中になり思考がとまり気持ちよくなってくる。

「ふぅ…ん…」

呼吸が苦しくなり軽く肩を押すと名残惜しそうに唇が離れていく。
乱れた呼吸を整えようと何度か肩で呼吸をしてから相手を見るとまだ向こうと視線がぶつかる。
――――欲情しまくった物欲しそうな顔でこちらを見つめてきて、何かを覚悟して瞼を閉じるふと顔の横にふわりと柔らかい感触がやってきた。
ゆっくり瞼を上げると肩口に万事屋の頭が載っていてやわらかい銀髪が頬を掠めていた。あっけにとられて言葉を捜すが何がどうなったのか分からず困惑を残したまま万事屋の様子を見守る。

「・・・・万事屋?」

声をかけても反応が返ってこず、どうしたものかと思ったがよくよく考えたら腹の立つことこの上ないんじゃないのかと思えてきて力ずくで引き離そうとするが万事屋も離れまいとしがみついてくる。
イライラが段々大きくなっていき全力で引き離そうと腕に力を入れようとしたとき、肩口から声が聞こえた。

「あ?!」
「・・・あんまり見んなよ。恥ずかしいからッ!」

『恥ずかしいから』その単語にさっきまでのあの雰囲気を思い出してしまい顔を赤らめて益々引き離したくなって仕方なくなってくる。

「おまッ自分で仕掛けてきたくせに・・・!バカじゃねぇの!?」
「うるせぇー!ちょっとあっち見てろ!」

この格好のほうが恥ずかしいわ!と叫んでよくやく離れたと思ったら
向こうも顔を赤らめて口をぱくぱくとして動揺を隠せていなかった。
そして二人そろって―――

「「こっち見んな!恥ずかしいからッ!」」













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こんなツンツンで馬鹿な2人が大好きですw

2012*08*21








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