「断罪の剣よ、七光の輝きを持ちて降りそそげ―――」

眼前には多くの敵。
自分の背後には詠唱を続けるジェイドとティア。
少し前ではナタリアが援護してくれていた。
俺の隣ではガイとアニスが武器を振るう。


「―――プリズムソード!」

天から光が降り注ぐ。
七つの光「プリズムソード」最近覚えた技で俺が好きな技で。
七つの光が敵を打ち砕く。砕けるというよりは音素と元素になって消えていく。
一気に敵が減った今がチャンス。残り少ない敵に向かい剣を振り上げる。

「受けよ雷撃!」

『襲爪雷斬』ジェイドに初めて教えてもらったFOF――フィールドオブフォニムス。
雷が剣と共に敵を撃破する。手足に多少痺れが残るものの、戦闘に支障はない。

「次ぎこいよ!」

悲鳴と共に敵が消え、土埃が舞い上がる。
敵はまだ目の前にいる。剣を降り砂埃をなぎ払う。

「ルーク!前っ!」

背後からティアが叫ぶ。
砂埃の向こうから自分の倍以上も大きい魔物が牙を光らせてルークを襲う。
少し反応が遅れ牙が頭上で剣とぶつかる。

「っ…」

身の丈が倍違う魔物、重さも半端ではなかった。
必死でこらえるが上から押さえつけられて逃げることもなぎ払うことも出来ない。

(やべぇ…潰される…ッ!)

重さで腕が麻痺し上手く力が入らなくなってきている。
ガイもアニスも苦戦していて助けを期待できるはずがない。
自分がどうにかしなくては、自分の身ぐらい自分で守らなければいけない

「んのぉ…!」

身体中の音素を集中させ超振動を発動させようとする。
レムの塔以来、ジェイドに超振動を使うなと釘を刺されたばかりだったが今はそんなことを言っている場合ではなかった。

身体の音素が力を放つ
剣に振動が伝わる
神経を集中させ―――

「氷の刃よ、降り注げ」

敵の頭上に音素が集まり光を放つ

「アイシクルレイン!」

ジェイドの声と共に氷の塊が敵を貫いた。
魔物は悲鳴をあげ音素と元素に分解され消滅する。

「な…!?」

集中させていた音素が一気に抜けていく。
砂埃はすっかり晴れていて振り返るとジェイドがいた。
いつものように右手で眼鏡を押し上げる。

「ルーク!まだ終わってませんよ」
「わかってるよッ!」

言いたいことがあったがとりあえずは目の前の敵を倒すことに集中することにした。







「なんで邪魔したんだよ」
「……」

あの後、なんとか勝利しボロボロになった体で近くの街の宿に辿り着いた俺たち。
ティア・ナタリアは薬を買いに町へ。荷物持ちとして無理やりガイも連れて行かれていた。
アニスは一人別の部屋で疲れて寝ている。
俺とジェイドは同じ部屋で、ジェイドは自分の前で椅子に座って相変わらず読書をしていた。

「ジェイド」
「…なんで?馬鹿なこと聞かないでください」

パタンと本を閉じコチラを見上げる。
赤い瞳に見つめられ動きが止まる。

「そんなに死にたかったのですか?」
「あんなのに負けるはずないだろう…!」
「超振動、使おうとしましたね」
「…あぁ」
「あれほど超振動は使うなと教えたはずです」
「でも…」
「言い訳は結構。聞きたくありません」
「……」

反論できず俺は俯いてしまう。
ジェイドはパタンと本を閉じ、そのまま本を近くの棚に置き立ち上がる。
身長差のせいなのか、それともジェイドの怒りなのかとにかく視線が重く圧し掛かる。

「・・・ルーク」
「乖離のことしってるのはジェイドだけだし…みんなに心配かけたく」
「無理して力を使い続ければそれだけ体への負担が大きくなるんですよ?」

無理をしているつもりは一度もない。
ただ今はまだ使える。まだいけると思っているだけだ。
何度か体に違和感を覚えたこともある。その度にジェイドに実験、もとい診察をされていた。
診察後、ジェイドは「馬鹿なことはしないでください。迷惑ですから」っていつも言っていた。


あぁ そうか


「……ごめん」
「何がですか?」
「…頭悪くてごめん」
「今更ですか」
「うん…」

ジェイドは眼鏡を指の腹で押し上げながらため息をつく。
そして俺の横を通り過ぎドアへと歩く。

「貴方が倒れれば少なからず元使用人が心配すますよ」
「…うん」
「それにティアも心配しますね」
「…うん」
「もしかしたらアニスやナタリアも心配してくれるかもしれませんね」

ノブに手をかけドアを開ける。
どこに行くつもりだろう


「…お前は」
「私ですか?私は心配しませんよ」

「当たり前でしょう」と付け足され俺は少し肩を落とす。
でも、それが本心でないことはなんとなくだけど分かってしまった。
やべぇ、顔が緩む…


「……ケチ」
「自業自得です」

きっと間抜け面でもしてたんだろう
ジェイドは俺のことを笑って部屋を出て行った。


自惚れだけど 俺のことを心配してくれる



そう 思った





[ 愛情表現のうらがえし ]







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また「恋人同士でお題」の一つです
あれ、なんかルクジェイっぽい…;
途中で切れていたから今日トガキ足したけど…
駄目だ!ぼけてる!!
なーんか未だに何かいたのか分かってないし(ヲイ)
プリズムソードを選んだのはサンダーブレードよりコッチのほうが好きだから
んで、FOFルーたんにやらせたかったからです!

2006*02*16


お題サイト
CHI
術台詞参考サイト↓(お世話いなりっぱ)
質問は一切受け付けん!


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