[人を拒絶する弱さ]



身体が重い
どうして?
よく見ると足に何かついて―――




「―――して、おかあさんを返して…ッ!」




「・・・・っ!」

目が覚めるとそこは薄暗い宿屋で俺は旅の途中で
アレは夢だったんだと気づける。

「・・・・夢…、そうか、夢だよな…はは…」

力強く毛布を握り締め目元を手で覆い隠す。
乾いた笑いが小さく部屋に響き、そのあとには小さく鼻をすする音。

アクゼリュスでの悲劇が次第に誇張され、自分の中で恐ろしいぐらい大きく膨れ上がっていた
どんなに笑っても、どんなに嬉しいことがあっても
夢の中でいつも、あの場面が出てくる。
コワイコワイ
ニゲタイニゲタイ
散々逃げ回ってきたツケだと自覚はあるが、どうしても立ち向かえない
日が昇れば否応なく、戦わなければならないが夜だけは
そう、夜だけはどうしても耐えられない

どうして俺が
どうして俺なんだ

すべてを否定したくなる

「っ…」

声を殺し、静かに泣く
今日も、明日も

多くの命への謝罪と恐怖から逃れるために


__________________
2008*10*14

お題サイト
リライト
inserted by FC2 system