「コレットちゃんはこっち」
「うん!」

救いの塔で彼が笑顔で手招きする
だれも彼を疑いはしない
私もみんなも

エレベーターの魔方陣の上にくると突如天使たちに囲まれた
とっさのことでワケがわからず、急いでロイドのほうを見る
彼らも思考が追いついてきていないので中途半端に武器を構えていた

「コレット!」
「残念、ここまでだ」

自分の隣で微笑んでいる彼
昨日見せたあの瞳によく似ている
寂しそうでけれどどこか諦めた瞳

「褒めて使わすぞ、ゼロスよ」

天使の中にプロネーマがいた
ゼロスは何も言わずに自分から離れてロイドたちのほうへと足を進める

「どういうことだ・・!ゼロス」
「どうもこうもないっしょ。見たまんまよ」
「裏切ったのかい?!」

どこか遠くで仲間と彼の声が聞こえる
近くにいるのに遠くに感じる
自分が今危機にさらされていると感じているのに彼から目が離せない

『神子に生まれてきてよかったと思ってる?』

彼の言葉が、声が脳裏に響く

「ささプロネーマ様ははやく」
「いくな!コレット!」

伸ばされた手をつかみたくて伸ばした
けれどその手はつかめないまま私はその場から離脱してしまった

「・・・ロイド」
「お主には器になってもうら」

ミトスの姉、マーテルの器にな
マーテルの力を引き継ぐ自分にしか出来ないことだ、ありがたく思えなどといわれたがそれどころではない

「ゼロスは・・・どうなるの?」
「あんな捨て駒に興味は無い」

頭に血が上った
怒ることは昔から苦手だったけれど
だからはじめての感覚
こんなにも相手に怒りを覚えたのは初めての感覚

「やめさせて!お願いだから!」

プロネーマに取っ付くがすぐに周りの天使たちに離される
それでも食いつく

「所詮裏切り者じゃろ?」
「ゼロスは仲間だよ!」

出会いってまだ短いけれど
大切な、
ロイドの大切な人と、思いがあふれてくる
ロイドにゼロスを殺させる気なの?

「これだから人間は好かんのよ」

目の間にキラキラ光る粒子が広がる
すると一気に思考が停止して身体が動かなくなる。

「ロイ、ド・・・」



目が覚めると大いなる実りとユグドラシルの姿
これから儀式が始まる

『神子に生まれてきてよかったと思ってる?』

まだ思考が起きていない頭でずっと彼の声がこだまする
何も考えられない思考だったからすぐに答えがでたのに
この答えはきっと彼には届かない
それがすごく悲しくて涙が出そうになった

(お願いだよ・・・ロイド・・・)

儀式が始まりマーテルの意思が流れてくる
最後の意識が手放されるとき微かにロイドの声が聞こえたけれど
視界にはあの赤い色は見えなかった




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アレ、ロイゼロじゃねぇww
けど、あの戦闘シーンではきっとロイゼロを繰り広げてるよww
2008 10 22

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