■「お前になら殺されてもよかったよ」 クラトスルート

血が

身体にアイツの剣が突き刺さる
冷たくて硬い
一気に口の中が鉄臭くなって
意識が朦朧としてきたんだ

「お前…っどうして…!」

剣の先には愛する人
愛してくれた彼がいて
今にも泣きそうな情けない顔をして

「お前になら殺されてもよかったよ」

そう囁いてやったら
もう力が入れなくて
遠くで、誰かが
俺を呼ぶ声がした


「―――――ゼロス…ッ!」





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■「お前になら殺されてもよかったよ」ゼロスルート

二つに引き裂かれた世界は一人の青年によりまた一つの大地になった
そして彼からの旅はまだ、終わらなかった

「ぷはー!やっぱ仕事のあとの一杯ってのは最高だなぁ、なぁロイド」
「仕事って…お前今日なんもしてねぇじゃねぇか…」
「まぁそう硬いこと言うなって。でひゃひゃひゃ」
「ったく…」

一つとなった世界にはまだ多くのエクスフィアが存在している。
それこそ、エクスフィアの成り立ちを知らずに使用しているものもいるかもしれない。
ロイドたちは少しでも多くのエクスフィアを回収するため世界を旅することになった。

「大体さ、ゼロスは力なさすぎなんざよ」
「ローイドくぅん…俺様そんな話は聞きたくありませーん…でひゃひゃひゃ」

腹ごしらえのつもりで入った酒場でゼロスはベロンベロンに酔いつぶれこの状態。
ロイドは若干恥ずかしがりながらも同じテーブルで静かに食事をとっている。

「あーもう俺様幸せ…げへ」

頬を赤く染め、テーブルにはいくつも重ねられたカラのコップや空瓶が放置してある。

「なぁゼロス…」
「あん?何よ」
「俺聞きたいことがあるんだけど…」
「あはーいいぜ?なんでも答えてやろうじゃないの」
「・・・・どうして裏切ろうとしたんだ?」
「・・・またその話か」

ゼロスは一気に興味をなくしテーブルの端においてあったメニュー表を開きまた何か注文をしようと悩み始める。

「まぁ、結果をみれば…あれはコレットを救い出すための芝居だったからよかったけど…」
「けど?」
「・・・俺結構ショックだったんだぜ」
「・・・・」
「一番信頼してたはずのお前に裏切られてさ…」
「・・・そうねぇ」

ゼロスはメニューから適当によさげなお酒を選び追加注文を終わらせる。

「まぁ確かなことは、だ」
「うん」
「お前になら殺されてもよかったよ」
「・・・・」
「なーんてな」
「ゼロスっ」
「でひゃひゃひゃあ、おねぇーさーんやっぱ枝豆も追加ねー」
「あ、少しは節約しろ!」




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