存在証明






「かーげふんーんだ!」

シルバラントにあるイセリアの村。
珍しくあの時のメンバーが揃った日だ。
アレから数ヶ月、辺りは世界が統合されたことにより、不安で満ち溢れていたが、少しずつ俺たちが解消していった。

「次はコレットが鬼だよ」
「うん」

ジーニアスとコレット。そして俺は久しぶりに影踏みをしていた。
夕日のせいで影は伸び、逃げるほうは一苦労。オマケに、コレットは羽を生やして上手く交わしたりと、
昔やっていた影踏みとは少し違っていたが楽しいのでそれでよしとしよう。 

「あんれぇー?なぁにしてるかなぁ?チミたちは」
「あ、ゼロスだー」

町の外からゼロスがやってきた。長くて赤い髪は後で結わいてあげてある。
胸元には近視用の眼鏡が服に引っかかっていた。
モチロン、エクスフィアも輝石もない。

「ゼロスも影踏みやろう?」
「影踏みぃー?この俺様が?俺様、こーみえてもチョー忙しいの。ガキンチョのお守りなんてしてらんないのぉー」
「でも楽しいよ?影踏み」
「コレットちゃぁん……」

コレットに催促され、断れ切れなくなったゼロスは肩を落とす。
その後、結局4人で影踏みをして日が落ちきるまで遊んだ。


* * * *


「あー…ちかれた…」

イセリアの村の帰り道。
ゼロスと二人で暗い夜道を歩いていた。
今日はせっかくなのでゼロスは俺の家に泊まることになった。
他のメンバーもそれぞれ先生の家やコレットの家などに泊まることになった。

「お前、結構よわいんだな、影踏み」
「俺様、庶民の遊びには慣れてないもんでね」
「いってろ」

軽く声を出して笑う。
どちらが、というわけではなくなんとなく。

「つーか、ロイドくんって俺様の影ばぁーっか狙ってたでしょう?」
「あ、気づいたか」
「気づくって。ガキンチョも気づいてたからハニーが鬼の時は余裕だったしょ?」

そういえば、そうだったきもする。
段々夢中になっていくとジーニアスはひたすら俺の援護をしてくれていた気がする。あと応援とか。
あれは気づいてやっていてくれたのか

「で?」
「あん?」
「なんで俺様ばーっか狙ってたの」
「そりゃぁお前だから」
「はぃ?」

ゼロスは不満そうに声をあげ、足が止まる。
俺は構わず脚を進める。

「だって影があるってことはお前は今そこにいるってことだろう?そう思ったらなんだか嬉しくてさ」
「…」
「ついつい、お前の影追っかけて、お前を追っかけてたんだ」

ゼロスの方を見て嬉しそうに笑うとゼロスは右手で顔を隠し脱力する。

「お前、いつからそんな口説き文句いうようになったワケ?」

「にししし」と笑うとゼロスがコチラを見る。
そして「馬鹿な奴」と一言残してまた足を進め、俺の家に二人で向かった。















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ロイドくんは永遠の天然タラシ希望です
2011/03/28再up






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