記憶に霞がかかっていて頭が重い
どうしてこんなことが起きているのか
どうしてこうなったのか
もう思い出せそうにない


誰かこの霞を取り払ってこの状況を説明してくれ


「…サスケ」

体が熱い
一枚脱ごうかと思えば既に体には何もまとっていない。
うっすらと瞼をあげると目の前には輝く光、いや金色の髪
青い瞳が細められて申し訳なさそうに眉尻が下がっている
体が無意識に手を伸ばしあいつの頬を撫でる

「・・・・・・痛くない?」

何のことかも分からないまま小さく頷くと金髪馬鹿は小さく笑みを零してから顔を近づけてくる
なんだなんだ?いったい何が―――


ブツンと意識が途絶える




体は熱いし痛いし、でも悪い気はしなくて
一番腹が立ったのはアイツの幸せそうな笑みで

意識を必死にかき集めて覚醒させる

「ってあああああ!?」
「を!?」
「・・・・・夢か・・・そうか夢なんだな」
「・・・サスケさん?」

ベッドの中。隣で安眠していたナルトが俺の叫び声を聞いて飛び起きる。
体中に冷や汗をかきながらも体に異常がないか確かめる。
下着、洋服は身につけている。
特に体に痛みもない

「・・・・夢、なんだよな」
「・・・どうしたんだってばよ」
「とてつもなく嫌な夢を見た」
「へぇ。どんな?」
「・・・・俺とお前が恋仲で」
「うん」
「・・・お、俺が下で・・・・」
「うん?」
「・・・・・ま、馬鍬って・・・!」
「言い方古くない?”まぐわる”って読むんだよね?サスケ」
「というかなんで俺とお前が同じベッドで」
「夢じゃなかったりして?」
「・・・・」
「サスケ?」

ナルトの言っている意味が理解できない。
どこからが夢でどこまでが夢なんだ

「夢じゃない・・・?」
「さっきまでサスケってば俺の下であんあん言ってたってばよ」
「そうするくらいなら死を選ぶ」
「そんな簡単に選ぶなよ。つかもう喘いでたんだってば」
「そうか!これは幻術だ。敵の幻術だ」
「・・・・」

もうこの馬鹿の言っている意味が理解できない
体内チャクラを練り上げて幻術を解きにかかるが、幻術が溶けた気がしない。
なんなんだ、いったい何なんだ

「サースケ」
「話しかけるなウスラトンカチ」
「なんも覚えてないのはわかるけどさぁーさすがの俺も傷つくってばよ」
「・・・・どういう意味だ」
「サスケってば昨日すんげぇ飲みまくって歩けなくなったんだってばよ」
「・・・俺がか?」

夕べは久々の休みでナルトも休みだって言うから夕方から飲み始めて
ずいぶんと遅い時間まで飲み続けてしまったらしい
そのままナルトに家まで運んでもらってその後、ことに及んだらしい

「・・・・」
「んでーサスケも溜まってたのかわっかんえぇけどやったら俺の事挑発してくるもんだから、つい」
「ついって何だよ。このドベ」
「いいじゃん?両思いだったことだし」
「誰が両思いだ。ふざけるな」
「だって好きだろ?俺の事」
「嫌いだ」

目障りだし、ドベだしウスラトンカチだし
里抜けした俺なんかを無理やり連れ戻しやがって
情に絆されたってことばが一番正しい使い方だ

「俺はサスケが好きだ」
「・・・・」
「サスケも好きだろ?俺の事」


俺は何も言い返さずに金髪馬鹿頭を力いっぱい殴りつけてやった
夕べの記憶が消えてくれるのを願いながら





fin





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夢落ちに見せかけて 実際にやることしてますww
2011*02*09



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