サスケと喧嘩しなくなった
お互いにもう子供じゃなくなり、お互いに責務があり
もう喧嘩している場合じゃなくなったっていうのが近いかもしれないけど
俺は火影候補に立候補して順調に火影に近づいてきてる。
里抜けしたサスケは木の葉の忍ではあるが、今は木の葉隠れにはいない
厳重な処罰を受けたあと、俺の下で働く事を条件に木の葉の忍に復帰したが、
サスケの希望もあり、世界を旅している。
名目上、国内調査になっているがサスケはあの戦争の後始末がしたかったらしい
今ではサスケが連れてきた仲間たちと世界を歩き回っているはず。
そういえば、この間我愛羅から手紙が来て、サスケがたずねに来てくれたと書いてあったっけ。
そんなもろもろの事情があり、サスケとはもう数ヶ月あっていない。


そんなある日の昼下がり
街中でサクラちゃんに呼び止められた

「サスケくんから連絡が入ったわよ」
「えっ!またばぁちゃんにかよ・・・たまには俺に連絡しろって・・・」
「まぁまぁ」
「いつ帰ってくるんだってば?」
「報告によると今日明日には火の国に入るって」
「って、あいつら今どこまで行ってんだってばよ・・・」
「結構遠くまで行ってるみたいよ?すっかり雷影とも仲良くしちゃってるし」
「・・・・俺ってば昔からあいつの考える事が理解できないってばよ」
「同感」

サスケの報告は必ず火影のばあちゃんの元に届く。
それをサクラちゃんから俺に伝わってくるのが当たり前になりつつある。
最後に会った時に、ばあちゃんにじゃなく俺に連絡してくれといったはずなのに
「お前に報告する事は何もない」とか何とかいって結局ばあちゃん行き
俺としてはサスケが元気でいてくれるならそれでもいいけど、何か釈然としない

「そういえば2人ってまだ付き合ってるの?」
「・・・・俺が聞きたいってばよ」
「え?別れたの?」
「別れてねぇってばよ!少なくとも俺は!」

サスケを里に連れ戻した後、俺はサスケに猛烈アタックを繰り返した。
周りに呆れられるほどサスケに執着して仕舞いにはサスケが好きすぎて
その思いを全部サスケにぶつけ続けて最終的にはサスケが折れてくれて「付き合う」という事にはなった。
なったが、サスケってば自由になったとたん世界を回るとか言い出して
デートすらしたことがないし、手を繋いだりキスもしたことがない

そんな昼下がりを過ごした夜の自宅。
風呂も入り一休みするかとベッドに横になった
横になった途端、疲れていたのかすぐに瞼が重くなってそのまま眠りに入ってしまった



意識がぼやける中、うっすらと髪を撫でてくれる感触
心地よくて益々目を覚ましたくなくなる。
それとほのかにかおる懐かしい匂い
どこで嗅いだのか意識がはっきりしないせいで上手く思い出せない
でもすごく居心地がいい

「―――・・・ケ、もう・・・――」
「――・・・った・・―」

遠くで聞こえる男女の声
女性の声はよく分からないけど
男の声、これは・・・・―――



「―――・・・またな、ナルト」







「―――・・・サスケッ!」

勢いよく体を起しあたりを見渡すと
すっかり朝日は昇り、ベッドの近くにおいてある目覚まし時計が少し遅れてなり始めた
あたりを見渡し状況を確認する

「・・・・夢・・・?」

夢にしてはあまりにも幸せすぎて
でもどこにも痕跡がなくて
軋むベッドの上に視線をやると一輪の花が置いてあった
見たことのない花で綺麗なオレンジ色の花びらが数枚。
茎の部分には紺色の短めのリボンがまいてある。

「・・・これ」

そういえば、珍しい花があったら持って来るとかなんとかいってたような
花を手に取り顔を近づけ匂いをかぐ。
きっと真っ先に届けに来てくれたんだ。

「・・・起してくれてもよかったのに」

きっと気を使って寝かせてくれたんだと思う。
サスケってば異常に気を使いたがる節が出てきてるし
今まで気を使ってなかったからだとかいってたけど

「そういうところも可愛いけれど」

どうせなら起きて笑いあって数ヶ月ぶりに喧嘩でもして
2人で愛を確かめ合ってもいいじゃないかなんて



身支度を整えて急いで火影邸に向かった












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気を使いすぎるサスケが可愛いと思います!
2012*08*21





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