パラレル
大人×大人です
ナルト×サスケです
上忍×上忍です
ナルトは火影候補です



よろしいですか?














「何度言ったらわかるんだ!あぁ!?」
「何度聞いてもわかんねぇってばよ!」
「・・・」

木の葉の里の火影様の執務室での騒動
ここ半月以上毎日がこうなので、付き人のシズネはすっかり慣れたみたいで小さくため息をこぼして二人の喧嘩の成り行きを見守ることに。
今日の喧嘩の内容は「任務承諾書」の書き方だったはず

「ばぁちゃんが説明ヘタすぎなんだってばよ!ここはあーで、こーでって適当すぎなんだってば!」
「普通の学力があれば通じるはずなんだよ!」
「どうせバカだよ!俺は!」
「開き直るんじゃない!このバカ!」
「馬鹿に馬鹿っていうな!バカ!」
「ば・・・っ」

綱手が言葉につまり、シズネも息を呑む。
言い出したナルトも顔を真っ青にして息を呑んだ後、綱手の右の鉄槌が下された

「誰が馬鹿だって!?」

執務室の窓が飛び散り、ナルトとともに宙を舞った
里にはいつものようにナルトの叫び声が響いた




「・・・あんたねぇ、綱手様に何言ったのよ」
「・・・・ごめんなさい」

吹っ飛ばされた先に、運良くサクラちゃんがいて後輩に色々アドバイスをしていたところだった
近くの公園のベンチで後輩に囲まれてサクラの治療を受けつつ、サクラは後輩に細かく説明を施していく
そういうところを見ると彼女も成長したんだよなと改めて実感させられて、自分が置いてかれた気持ちになるが、そんなことを言うと綱手仕込みの右手が飛んでくるので絶対に口にはしない

「こんなことばっかやってるとサスケくんにまた小言言われちゃうわよ」
「・・・サスケはそんなこといわねぇってばよ」
「そう?『このウスラトンカチ』とか言いそうじゃない」
「・・・」

サスケが里に戻ってきてもう3年
木の葉の忍として復帰してもうすぐ半年が経つ
Dランクの任務ばかりやらされてると聞くけど、それでもサスケはなんの不満を言わずにDランクをこなしていく。
綱手のばぁちゃんのおかげで時々だけどCランクの日帰り任務もやってるらしい
その話を聞いたのはシカマルやほかの仲間たちからでサスケとは最近会ってもいない

「・・・そっちも喧嘩したの?」
「喧嘩したくてもできねぇってばよ・・・」
「最後にあったのは?」
「・・・多分、2ヶ月前」

2ヶ月前、同期のみんなで集まろうって言われて久々に9人集まった
いつもの居酒屋でみんな騒いで俺とキバなんて飲みすぎてすんげぇ騒いでサクラちゃんとヒナタに迷惑をかけたのは覚えてる
うっすらだけど

「あの時は苦労したわ。アンタったらキバと飲み比べなんか始めてサスケくんに絡んでいくんだもの」
「え?」
「えって、覚えてないの?」
「・・・・えーっと」

2ヶ月前の飲み会を思い出す
俺は綱手のばぁちゃんの仕事が中々終わらなくて、遅れて参戦した
そのときはもう結構みんな酒入ってて
サスケも隅のほうでシノとなんか飲んでて俺はキバの隣に座ってくだらない話をしながら飲み比べを始めて
次の記憶はサクラちゃんにたたき起こされる記憶で

「・・・・いつ?」
「いつって、アンタねぇ・・・」
「俺ってばサスケになんかした?」
「それは・・・」

視線を横に流して後輩たちを見る
どうやらこの子達の前では話せない話らしく、俺は空元気にわらってごまかした

治療を受けて、後輩たちを返した後、サクラちゃんから話を聞いた

「アンタ、こともあろうにサスケくんを口説き始めたのよ?」
「はぁ!?」
「もう見てらんなかったわ」



「サァスケェ」
「近づくな、この酔っ払い」
「いいじゃん!俺ってばサスケが好きなんだって」
「気持ち悪いことを言うなドベ」
「本気なんだってばよ?ちゅーしたいぐらい好き」
「・・・あのな」
「ちゅー」
「やめろ!ウスラトンカチ!」
「やれやれ!ナルトー!」
「男うずまきナルト!愛しいサスケちゃんの唇を頂きます!」
「何いって・・・!」




「・・・・あったような、なかったような」

サクラちゃんにことこまやかに教えてもらった詳細
話を聞いてうっすらと思い出す
そういえば、キスしたんだっけ。思った以上に唇は柔らかくて、壁に押し付けて何度も唇を重ねて、仕舞いには舌を絡めさせて。アイツの唇からもれる甘ったるい喘ぎ声にゾクゾクして名残惜しそうに離れると酒の力もあってアイツの顔真っ赤にして瞳震わせて上目遣いで「ウスラトンカチ」って言ってきて・・・

「あーあー」
「思い出した?」
「・・・・ばっちりと」
「いのなんか顔真っ青にしてたわよ」
「・・・」
「まぁ、私とシカマルなんかは呆れ返ってたけどね」
「え、それって」
「いつかはやるって思ってたのよ」

日の沈みかけた商店街を二人でゆっくり歩いていく
通り過ぎるお店はお客さんで賑わって、すれ違う人は買い物袋を抱えて帰っていって
そんな中、俺一人だけが口元を隠しながら2ヶ月前の自分を呪っていた

「アンタって昔からサスケくん大好きだったじゃない」
「や、昔はまだライバル視してただけで・・・」
「取り戻したときもすごかったわよねぇ。毎日サスケくんのところ通って・・・・」
「あーもう!思い出させないでくれってばよ!」
「何恥ずかしがってんのよ」
「今俺は昔の自分を呪っているところなんだってばよ・・・」

その場に座り込み頭を抱えてうめく
昔の自分よ、何故こうも恥ずかしくなるようなことをしてくれたんだってばよ
足を止めたサクラちゃんのため息が少し離れたところから聞こえてきてますます自分が情けなくなってきた

「いいんじゃない?サスケくんだって満更じゃなさそうだし」
「え」
「ちゅー事件の時だって嫌がってたくせに受け入れちゃうし。両思いオメデトー」
「え、ちょ、サクラちゃん・・・?」

顔を上げてサクラちゃんを見つめる
最初呆れ顔だった表情がナルトの表情を見て力が抜けたのかため息をついた後いつもみたいに微笑んでくれた

「あたしはアンタたちが幸せなのが一番いい」
「・・・」
「それじゃ!あんまり綱手様怒らせるんじゃないわよ」
「・・・サクラちゃん」

あまりにも男前過ぎて涙が出そうになってきたがそこはなんとか鼻をすすりこらえた
サクラちゃんが消えるまでずっと背中を見つめていて見えなくなったあと脱力し、地面に額をぶつけた

「・・・・俺ってばこんなことしてる場合じゃないよな・・・」

初恋の少女にあそこまで綺麗に言われてしまったらもう逃げ回っている場合じゃない
顔を勢いよくあげて立ち上がりサスケの家へと走った






「・・・・なんの用だ」

2ヶ月ぶりにあったサスケはたまたま任務帰りで家にいて
問答無用で押しかけてきたにも関わらず俺を家の中へと入れてくれた
2ヶ月しか経ってないのにすごく懐かしくてすごく恋しかったのだと知らされる

「この間の続きがしたい」
「この間・・・・?」
「居酒屋での」
「・・・・・寝言は寝て言え。ウスラトンカチ」

話が通じたはずなのに、思いは通じなくて
さきほどサクラちゃんに言われた言葉がふと頭をよぎる
そうだ、もう決めたんだ。サクラちゃんのためにも

「好きなんだ」
「・・・・」
「サスケのことが好きなんだ。だから抱きたい」
「てめぇ、ふざけるのもいい加減にしろよ」

胸倉をつかんで唇を奪い、名残惜しいが離れる
サスケの瞳に自分の金髪が映っているのが見えるほどの距離
サスケはビックリした様子で目を開いてこちらを見つめている

「――――・・・」
「本気だってばよ」

ようやく思いが届いたのか、みるみるサスケは顔を真っ赤にして俺から離れていった
俺は何事かと、なんで離すんだせっかく可愛かったのになんて思いながらサスケを追いかける

「離せ!このウスラトンカチ!」
「いだだだっなんだってばよ!急に・・・!」

手首をとられて床にねじ伏せられる
それでも上から聞こえるサスケの声には悪意はなくただ照れているだけのようだったのが素直に嬉しかった








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ナルサスの日なのでがんばった!
でもすんげぇ不作・・・orz
がんばった形だけでも・・・!←
次こそは甘いナルサス書きたいです
2009_07_03


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