戦華




「セネセネーどーこでーすかぁー?」

りっちゃんのメルネス事件も終わって、ウィルっちもハッチと仲直りして、
クーもなんか乗り越えたみたいだし。
もーすけとギーとんもますます友情深めて、ジェージェーもやっと独りじゃないって気づいてくれて。


グー姉さんが世界のために消えて


色んなことがあった。
家出して遺跡船にきて、なぁんでこんな苦労しなくちゃいけないのかなーって首傾げたりもしたけど
みんなに出会えて本当によかったって思えるからとりあえずは、そんな苦労も今ではいい思い出。

「もぅ、なんでアタシがこんな目に…」

そして現在。
あたしはセネセネ捜索隊隊長。
街外れの森の中を彷徨っていたのであった。(迷子じゃないからね!)

「ん?やややや…」

前方にセネセネ発見っ
しかし、なにやら独り言?を呟いているご様子。
風でよく声が聞き取れないけどかすかに声が聞こえる。
気配を消して、足音消して。静かに近づく。

「なぁにしてるの?」
「うわぁ!?」

予想通りに驚いてくれてアリガトウ♪セネセネ
ちょっとしてやった気分に浸っているあたしは驚いたセネセネの背後にある墓石を見つける。

「(あれ…このお墓って…)」
「ノーマお前…;」
「ねぇーねぇーコレって…ワルちんの?」
「……あぁ」

墓石にはきったない歪な文字で「ワルター」と彫ってあった。
墓石の前には摘まれてきた花が備えてあった。

「なぁーんでこんな寂しいところに作っちゃったのさ!これじゃぁワルちんカワイソーじゃん!」
「…いいんだよ」
「なんで!」
「ワルターの墓ならちゃんと向こうにある」
「ほぇ?」
「この墓は俺が作ったんだ」

向こうを指差すと確かにお墓の群(笑)がみえる。
確かリっちゃんのお姉さんのお墓もあるはずだ。
セネセネはじっと墓を見つめていた。

「……もしかして…セネセネって…」
「?」
「ワルちんのこと好きだったの?」
「・・・・キライじゃなかったな。悪い奴じゃなかったし」
「ワルちん…りっちゃんのことしか考えてなかったみたいだしね。どっかの誰かさんみたいにー」
「う、うるさい」

照れ隠しで怒られた。
多分、あたしが思うにセネセネとワルちんは似たもの同士なんだったと思う。

「じゃぁこのお花、セネセネが?」
「あぁ。今朝ハリエットに付き合ってもらってな」
「ふーん」
「・・・俺もワルターも同じだったんだよな」
「え?」
「どっちもシャーリィのことしか考えてなくて周りのことなんて気にもかけない」

なんだ、自分でも自覚してたんだ。
二人が似ているって。だから態々こんな所にもう一つ自分専用の墓を作ったのかな?

「うわぁーソレってチョーウザイじゃん」
「まぁな」
「でも、それしかなかったんだ」
「……」
「俺たちにはそれしかなかったんだ」

目を細めて俯きながら寂しそうにセネセネは言った。
それが無性に悲しくて、無性に腹がたったけど、セネセネの気持ちもわからなくはない。

「…でも今は違うでしょ?」


だから


「今のセネセネにはたくさんの仲間がいる。ワルちんには悪いけどセネセネは生きてるんだもん」


そんなに悲しまないでって柄にもなく思ってしまう。

「・・・・あぁ」
「ワルちん、セネセネとりっちゃんは幸せに生きてます。だからワルちんもきちんと成仏してくださいね」
「お前なぁー…」
「あとでお花持ってきてあげるからネ♪ワルちん」

あたしが合掌して祈りをささげると後でセネセネも合掌をする。
二人で静かに祈りをささげる。

「ノーマさーんどこですかー?」
「あ、ジェージェーまで来ちゃった」
「そういやお前、なんでこんな所に?」
「え?・・・・・・あぁ!そうだよ!セネセネ探しにきたんだよ!」

ジェージェーはセネセネ捕獲部隊隊長。
あたしがセネセネを見つけ出し、ジェージェーが捕まえる寸法。
セネセネの腕を掴み声のするほうへと歩き出す。

「あ、コラ!」
「ジェージェー!生贄見つかったよー」
「い、生贄!?」

振り返らず前へ進む。
セネセネが戸惑ってるけど構わず進む。
ワルちんには悪いけど後戻りはしないよ。
後でお花持ってくるからセネセネは



まだ連れて行かないでね












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セネセネはシャーリ大好きでいいと思う
2011/03/28再up






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