惚れたら負け。








「……寝れねぇ…」

聖獣たちの力を借りて、ゲオルギアスの思念を取り除いた俺ら。
だが、思念を取り除いても争いは途絶えることはなかった。
いくつかの街を周り、幾度となく争いを食い止めた俺らはベルサスの宿屋で今日は休むことになった。

俺は上体を起こし、左で寝ているヴェイグのほうを見た。
が、しかし。ベットには誰もいなかった。

「・・・ヴェイグ?」

微かにドアが開いている。寝る前に鍵もかけた筈なのに。
俺は外に出たと思われるヴェイグを探しに行った。


*********


寒い寒い外。
ただ星を眺めていただけなのかもしれない。

「うぉーい。何してんだよ、んなところで」

後方で間抜けな声が聞こえる。振り向くと、薄着のままのティトレイがいた。
こっちに一歩一歩近づいてくる。

「う〜寒っ」
「……」

俺の隣に来て空を見上げる。「おぉー」なんて感嘆の声を上げる。口から漏れる白い息が目に付く。

「お前、よく平気でいられんあなぁ…」
「・・・俺だって寒い。」
「じゃぁなんで外でてんだよ。ほら、部屋に戻ろうぜ」

「寒さ4つ星半だぜ」などと相変わらず意味のわからない言葉を発しながら俺の腕を引っ張る。

「ティトレイ、」
「あん?なんだ―――ってヲイ。」

なんだがよくわからないが、無性にこの馬鹿を抱きしめたくなった。
外気に触れておかしくなったのか?俺は。

「・・・ヴェイグちゃん、ものすごく体冷えてますけど」
「あぁ。」
「『あぁ』じゃなくて!!なんでこんなになるまで外に出てたんだよ!!」

ぎゃあぎゃあと怒りながら俺の腕の中で暴れる。
だから、もっと力強く握り返してやった。

「・・・温かい」
「そりゃぁ今の今まで寝てましたからね。」
「・・・・温かい」

だんだん眠くなってきた。コイツの体温のせいか。
しばらく抱きしめているとソイツはおとなしくなり、抵抗しなくなっていった。

「・・・・・(もうちょっと・・・)」

どうも抜け出せないこの暖かさ。
あと少しだけ





あと

少しだけ。












fin








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初のヴェイティト!!!!
ほのぼのした二人が大好きです!!
ティトレイはヴェイグに逆らえず、ヴェイグもティトレイに逆らえず…。
アタシが書くと萌えないなぁ・・・;;;ティトレイがかわいくない。
がうがう。
2005*03*04









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